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飼い主さんなら知らないと危険!病名よりも「症状」の観察が重要

ペットの病気の捉え方

飼い主の皆さんは、ペットの病気に対してどのように対処していますか?
飼い犬や飼い猫、飼っているペット達が病気になった時、病名探しをしていませんか?

そして、「〇〇病です。××が炎症を起こしていますね。」という獣医さんの診断にどこかしら安心感をおぼえて治療のすべてを委ね「これさえやっていればきっと治るはず。」と思っていませんか?

実はコレ、たくさんの猫たちの飼い主であった過去の私の姿です。

体調不良や病気になってしまうのには必ず原因があります。これは人間も同じです。

このブログでは、病気になるに至った過程とその原因にフォーカスすることの大切さについてまとめています。
適切に対処できるのは飼い主さんをおいて他にいないからです。

診察を受ける際に飼い主さんが気にかけるべきこと

実は私も典型的なタイプで、獣医さんに積極的に病名を尋ねるタイプでした。

飼い猫の具合が悪い時、動物病院へ連れて行き、あらゆる検査をしてもらい、必ず病名を獣医さんに尋ねていました。

今なら分かるのですが、人間でいうところの未病(発病には至らないけれども、健康な状態から離れつつある状態)は動物達にもあります。
むしろ、そんな症状の方が多いのかもしれません。ですから、獣医さんも大変といえば大変なのです。

そして、疑われる病名を教えてもらい、家に帰ってから自分なりに調べて情報を得る。

良かれと思ってやっているこの行為が、場合によっては、目の前のペットの状態の捉え方や、ケアのやり方の範囲を狭くしているということに気付いたのは最近のことです。

飼い主さんの役割は「症状を注意深く観察する」こと

不思議なもので、病名が分かると不安になると同時に、奇妙な心理ですが、正体が分かったことに安心もするのです。

正体が分かると手の打ちようがある!そう思い込んでしまうのですね。

ここがある意味ワナなのです。

まずは、ペット達の症状や状態を観察して、その症状に合ったケアをする。

私はこれまでの自分の考え方のパターンを改めるために、かなり意識をしなければなりませんでした。

当然のように、西洋医学的病気の捉え方を信じていて、疑うこともしなかったため、洗脳されていたと言ってもいいのかもしれませんが、洗脳というとあまり良い印象がないので、ここでは「他の選択肢をよく知らなかったし、信じていなかった」と書いておきましょう。

この西洋医学的考え方のみを信じていると、悪くなったパーツだけの治療をすればいい!という考えに引っ張られてしまうのです。
そして、それさえやっておけば治るのでは?と期待をしてしまいます。

悪くなっているパーツを見て治療をすることはもちろん大事です。ですが同時に、”何故そうなってしまったのかということを探る”

ここが飼い主さんができることの重要なポイントになるのでは?と、考えるようになりました。

”病名”はないよりもあった方が情報を集めやすいですし、治療法もある程度確立されているので、打つ手があるというのは安心材料ではあります。

ですが、獣医さんの治療法をよくよく観察していると分かるのですが、その多くは対症療法なのです。

その治療、本当に病気の原因にフォーカスしていますか?

皆さんは”対症療法”という言葉を聞かれたことがあると思います。

一般的には”原因療法”の対義語として用いられる場合が私達には馴染みのある使い方です。
つまり、病気の症状として現れてきたものに対して治療を行うことをいいます。

動物治療でよくあるのは、膀胱炎になった場合に処方される抗生物質、激しい痛みや痒みをともなう場合に出されるステロイドなどがこれに当たります。

よくよく考えて頂けると分かるのですが、確かにこれらの治療やお薬は症状を抑えて回復を早めてくれます。

ですが、あくまでも体内の何かしらの異常によって表に出てきた症状を抑える治療法であって、根本的な原因に対してアプローチする治療法ではないことが分かると思います。

では、何が身体を元に戻しているかというと、個々の動物達がもっている『自然治癒力』なのです。

「自然治癒力」のこと、忘れていませんか?

『自然治癒力』は、軽い症状の場合はお薬のみでも徐々に治っていくので、あまり重視されませんが、大病になってくるとその大切さについて見逃せなくなってきます。

ガンなどの大きな病気になった時は特に顕著です。

ガンは犬と猫の死因の常に上位ですので、最近では「自然治癒力」の重要性に気付き、予防のため、或いは既に罹患している場合は、動物病院での治療にプラスして、免疫力をあげるためのケアに積極的に取り組んでいる飼い主さんも増えてきています。

ガンなどのように大病ではなくても、さまざまな病気についても動物病院での治療に加えて、自宅でやってあげられるケアはかなりあるのです。

それは例えば、「冷え」は不調の原因になりますので、特に冬場は身体を冷やさないようにする。
「水分不足」も病気の引き金になりやすいため、工夫して飲み水の量を増やす。
免疫力」を高めるために手作り食にする、良質のサプリメントを摂らせるなどです。

ペット達も人間同様、高齢になるといろんな機能が衰えてきますので、不調もあちこちに出てきます。

そんな時、目の前のペットの状態の変化になるべく早く気付き、病院で治療を始めると同時に、できるだけ治癒力を維持するために日々のケアをしてあげる。

これができるのは獣医さんではなく、飼い主さんに他ならないのです。

飼い主さんだからできることがある!

病名ありきの考え方で、私は飼い猫達に何度も気の毒なことをしてしまいました。今思えばやってあげられることがたくさんあったのです。
しかも、やってあげられることの中には簡単なこともたくさんあったのです。

保護活動をやっていたこともあり、飼い猫達を通して経験した病気はかなりありました。
慢性腎不全、慢性口内炎、FIP、糖尿病、ガンやリンパ腫、三臓器炎、甲状腺機能亢進症、特発性膀胱炎になった子、腸炎、便秘、舐めすぎてお腹がピンク色になった子、、、。

当時の私なりに、あの時できる最善のことはやったつもりでしたが、今なら、あれもこれもやってあげられたのにと後悔が湧いてきます。

「病気の治療とは獣医さんの力が8割以上、あとの残りが飼い主」
以前の私はそう思っていましたが、今は違います!

動物病院とのやり取りを踏まえて、二人三脚でフィフティ・フィフティで取り組む。或いは、飼い主さんにできることの方がもっと大きい!
今はそう考えています。これはもう確信に近い思いです。

獣医さんにある程度方向性を示してもらい、飼い主としてできることを考え実践していく。飼い主さんが日々の観察で気が付いたことをフィードバックしてより良い治療を考えていく。

動物病院で策がないと言われた場合は、自分なりに調べて情報を集め、他にやれることがないか探してみる。

幸いなことに、今は調べようと思えば多くの情報を得ることができ、学ぼうと思えば動物に関するものだけでも山のように資格取得講座があります。

学ぶ以外にも、既に「動物達の真の健康とは?」ということに早くから気付いて動物病院ではなくても、質の高いフードやサプリメント、ケアの方法、民間療法を提供している個人や企業もたくさんあります。

情報を得ようと思うかどうかは飼い主さんの意識次第という時代になっているのです。

飼い主さんのサポートもペットに関わる仕事をしている者の役割!

『獣医は病気のプロ、健康のプロではない』

これは、私が自然療法を学んでいる先生の言葉です。
一見、「?」と思うかもしれませんが、なるほど!と私は納得しました。

仕事柄、私は飼い主さんの代理として通院代行やケアのサポートをさせて頂いていますので、この言葉の意味がよく分かってしまうのです。

私は動物病院での治療や診察の最後に、飼い主さんが自宅でケアをするに当たって、何かしら参考になることがあればと獣医さんに質問をします。

「自宅でなにかやってあげられることはありますか?」と。

すると、驚くほどに具体的にアドバイスをしてくださる獣医さんが少ないのです。
皆さんも試しに掛かりつけの獣医さんに尋ねてみてください。

もちろん、中には「冷やさないように」とか、自宅での観察ポイントを教えてくださる先生もいます。でも、そちらの方が稀なのです。

『なんだろう、この視点の違いは、、、。』
これは私の心のつぶやきです。(苦笑)

きっと、トリマーさんにはトリマーさんの視点、ドッグトレーナーさんにはその独自の視点、ペットシッターにはペットシッターの視点があるのだと思います。

ペットシッターは、飼い主さんの暮らしの中に入らせて頂いて仕事をさせて頂くため、環境がペット達の健康に大きな影響を与えているということを実感できます。
ストレスを決して軽視してはいけないことが体感として分かるのです。

ペット達のケアには、飼い主さんのライフスタイルや性格、日常的な思考パターンがかなり反映されています。

ペット達は飼い主さんの影響を大きく受けているのです。

このことを日々の仕事を通して目の当たりにしていますので、ご依頼や、ご相談をくださる飼い主さんをどうサポートしていくか、一軒一軒向き合い方を変えて関わらせて頂いています。

大切なのは「全体を見る視点」です。

時に飼い主さんは、心配と不安で深い迷いに陥ってしまうこともあります。
そんな時、どうサポートさせて頂くか。

これからも飼い主さんとペット達の双方に満足して頂けるよう、自己研鑽しつつ、情報発信にも努めていきたいと思っています。

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