多頭飼育のお宅で私が大切にしている視点

今回ご紹介するのは、10年以上お付き合いのある、多頭飼育のお客様です。

年に1、2回のご利用ですが、長く関わらせていただく中で、猫たちも少しずつ年齢を重ねてきました。
ペットシッターとして現場に伺うたびに感じるのは、「お世話をすること」以上に、「そのご家庭に合った関わり方を考えること」の大切さです。

「人見知り」という言葉だけでは判断しない

飼い主さんからは、「うちの子たちは人見知りなので…」とお聞きしていました。

もちろん慎重な性格の子もいます。
でも、実際に接してみると、私には極端な人見知りという印象はありませんでした。
それぞれの性格や距離感を理解し、猫ちゃん自身に「どこまで近づくか」を決めてもらえば、多くの場合は自然に落ち着いて過ごしてくれます。

観察しながら、その子のペースを尊重することを大切にしています。

観察と、不安を増やさない伝え方

現場では、食事の様子や排泄の状態といった健康面はもちろん確認します。
それと同じくらい大切にしているのが、表情や歩き方、部屋での過ごし方から「安心して過ごせているか」を見ることです。
必要以上に介入しないことも、その子のためになる選択だと考えています。

こちらのお客様は観察力があり、体調の変化にもよく気づかれる方です。
必要なときには適切に動物病院を受診され、猫ちゃんたちをとても大切にされています。
その一方で、気になったことは一つひとつ丁寧に確認したくなる面もお持ちです。

以前、新しく猫ちゃんを迎える際にご相談をいただき、ご自宅まで伺ったこともありました。
多頭飼育の環境に新しい命を迎えるのは、飼い主さんにとって不安の大きい出来事です。
考えつく限りのアドバイスをお伝えしましたが、そのときも心がけていたのは、不安を必要以上に膨らませる伝え方をしないことでした。

問題ばかりに目を向けるのではなく、「今は大丈夫」「この点は問題なさそう」という安心材料も一緒にお伝えするようにしています。

年齢とともに変わるアドバイス

10年以上のお付き合いになると、猫ちゃんたちの年齢も当然変わります。
若い頃とシニアでは、気をつけることも変わってきます。

日常生活で少し工夫できることや、体調管理のポイントなど、その時期に合ったお話をするようにしています。
一度お伝えして終わりではなく、その時々の状況に合わせて一緒に考えていくことも、長くお付き合いしているからこそできるサポートだと思っています。

私が大切にしていること

こちらのお宅の猫ちゃんたちは、それぞれ性格は違っても、皆おおらかに過ごしています。

動物は正直なものです。
猫ちゃんたちがそうであるということは、飼い主さんご自身も、本来はそのくらい大らかで優しい方なのかもしれない、と感じることがあります。
もちろん、これは私の推測に過ぎず、逆のケースも感じることがあります。

ペットシッターの仕事は、お世話をすることだけではありません。

動物たちを観察すること。そして、飼い主さんの気持ちにも目を向けること。

どちらか一方ではなく、その両方を見ながら、そのご家庭にとって無理のない方法を一緒に考えていく。そんな関わり方を、これからも大切にしていきたいと思います。


※この記事は2026年7月に「シッターの目」に視点を変えて加筆修正しました。 

※この記事は、23年間・約5万件の訪問シッティングで感じてきた「現場の視点」をもとに書いています。 

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ABOUT ME
西山 早苗
約12年間の会社員経験を経て、2003年に福岡市東区にてペットシッターMojo Mojoを開業。気づけば、地域で最も長く続くペットシッターの一つになりました。 23年間のシッター業務、保護活動、そしてトータル30匹を超える飼い猫たちとの日常を通して感じたこと——看取りや介護、動物たちの心身の健康、飼い主さんとの関わりで気づきを得ました。 長年の現場経験をベースに、時代の変化も取り入れながら、飼い主の皆さまのお役に立てるよう日々取り組んでいます。