はるばる海外から日本へやってきたユキちゃん。
私が出会ったのは、15歳を過ぎてからでした。

小さな変化は排泄から始まった

ある夏の長期のお留守番。
5日を過ぎた頃から、ユキちゃんに小さな変化が見え始めました。

まず最初に気になったのが便でした。
軟便気味だなと思っていると、吐く回数も増えてきたのです。

見た目には辛そうには見えないのですが、身体は確かにサインを出し始めていました。
胃腸が弱っていたのかもしれません。

シニアペットの長期のお留守番は、できる工夫をしても日々が単調になりがちで、平穏ではあるものの知らず知らずストレスを溜めてしまいます。

若い子であれば遊びで発散できますが、シニアの子にできることはマッサージやブラッシング等、限られてくるのが実情です。 

シニアのお留守番で私が最初に見ること

ユキちゃんのお留守番は長期になるケースが多いです。

そのため、こうした変化を見逃さないために、私がシニアのお留守番で必ず確認していることがあります。 
長期のお留守番の時に気にかけることとして、年齢や性格によっても対応は変わるのですが、

・食事量
・飲水量
・排泄状態
・日々の表情や雰囲気
・動き/活動量
・猫の場合は吐く回数や吐き方、吐いたものなど

これらをよく観察します。基本的なことばかりです。

若い頃はさほど気にかけなくても良かった天候や湿度も、シニアになると無視できない要素になります。

私は、こうした環境の変化が積み重なることで、何となく元気がない、食欲が落ちるといった変化につながる子を何度も見てきました。

はっきりとした原因があるわけではありませんが、自律神経の働きも関係しているのかもしれないと感じています。

厄介なのは、自律神経の乱れは非常に気付きにくいことです。

分かりやすい症状として出るわけではないので、「なんとなく調子が悪そうだけど原因が分からない」という状態になりがちですし、病院に行っても治療の的を絞りにくい。

そうこうしているうちに慢性的な不調へと拗れてしまうこともあります。

病院ではなく”往診”を選んだ理由

季節は連日猛暑日を記録する真夏。

炎天下、車に乗せて病院に連れていくのもかなり躊躇われ、「これはマズイ、病院に行かねば」と感じるほどでもなかったので、飼い主さんの了解を得た上で、往診の獣医さんに診てもらうことにしました。

数日後には飼い主さんも帰宅されるので、本格的な検査等はご帰宅後でいいだろうという見立てもありました。

診察の結果は緊急性はなさそうということで、皮下点滴と吐き気止めの注射をしてもらい様子をみることに。

幸い往診の先生の見立て通り、ユキちゃんはその後調子を取り戻し、事なきを得ました。

シニアにとって飼い主さんの存在は特別

シニアになると、例え飼い主さんが在宅されていたとしても運動量自体にそれほど変化はありません。

でも、飼い主さんの存在は安心を感じさせ、ちょっとしたことが刺激になって退屈はしないのです。

飼い主さんの存在自体が、精神安定剤のような安心の土台になっているのでしょう。

飼い主さんの存在には到底叶うはずもないのですが、気持ちを寄せたり、お世話の工夫をすることで、日々の物足りなさを埋める気配りをすることが私の仕事になります。

20歳を目前にしたユキちゃんから教わること

そのユキちゃんも、もう20歳目前となりました。

変わらずおおらかな性格で、お世話に行くとユキちゃんなりに歓迎してくれているのが分かります。

飼い主さんによると、体調を大きく崩し、命の心配をするような時もあったそうですが、つい先日もお世話に行かせて頂いた際、ユキちゃんは、まだ食欲もあり、年齢なりの健やかさを見せてくれていました。

もしあなたの子がシニア期に入っているなら、天候の変化がありそうな日は少しだけ意識して見てあげてください。 早めに気付ければ、対処の選択肢も増えます。

私は、シニアのペット達には、加減を考えつつ、その子にできることは、できる限りやり切るという気持ちで向き合っています。

気の抜けない仕事ではあるものの、老いた彼らに愛おしさや尊さ、場合によっては凄みすら感じさせられます。

シニアの子たちが発する、静かで小さな変化のサインに早く気付ける人でありたい。

これからも一つひとつの現場で、そう思いながら向き合っていきます。



ここからは、シニアの子と暮らす方向けの、日々のケアのヒントです。

🐾 ワンポイントアドバイス

シニアの不調は、食欲低下だけでなく「なんとなく動きが鈍い」「寝る場所が少し変わった」といった小さな変化から始まることがあります。
普段の様子を知っている人ほど、その違和感に気付きやすくなります。

<日々の具体的なケア>

●ブラッシング … 毛艶を整え、血行促進にも繋がります

●マッサージ

①背骨の両側:
東洋医学でツボが集まっているとされる場所で、ここを撫でると落ち着く子が多いです。腰から下を優しくさすると、お通じが良くなったと感じる場面もよくあります。

②耳:
耳は神経が集まっている場所と言われていて、優しく揉むとうっとりする子が多い印象です。

③四肢の先端(肉球):
手先、足先などの末端を揉んであげると毛細血管が刺激されて血流を促します。

●フードの工夫

ハイシニアの子はペースト状のフードよりもスープ状の方が食べやすい場合があります。
好みもありますが、食が進まない時は水を少し加えてみるのも一つの方法です。
それでも食欲が戻らない場合は、体調不良のサインのこともあるので、早めに動物病院に相談してください。

これら全てをやらずとも大丈夫です。無理のない範囲で好むことをやってあげてください。細やかな刺激が、日々の単調さを和らげる助けになることもあります。
心地よい刺激は、結果として自律神経にも良い影響を与えているのではないかと私は感じています。 

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※この記事は、23年間・約5万件の訪問シッティングで感じてきた「現場の視点」をもとに書いています。 



ABOUT ME
西山 早苗
約12年間の会社員経験を経て、2003年に福岡市東区にてペットシッターMojo Mojoを開業。気づけば、地域で最も長く続くペットシッターの一つになりました。 23年間のシッター業務、保護活動、そしてトータル30匹を超える飼い猫たちとの日常を通して感じたこと——看取りや介護、動物たちの心身の健康、飼い主さんとの関わりで気づきを得ました。 長年の現場経験をベースに、時代の変化も取り入れながら、飼い主の皆さまのお役に立てるよう日々取り組んでいます。