副業を解禁する企業が増え、「まずは副業から」という選択肢が当たり前になってきました。
ペットシッターを始めようとしている方の中にも、「いきなり本業にするのは怖い」と感じている方は多いと思います。

では、副業スタートでも問題ないのでしょうか。

結論を先に言います。形式(本業か副業か)よりも、マインドのほうが大事です。

「副業」という形より、「本業マインド」があるかどうか

副業として始めること自体は、問題ではありません。
いきなり収入がゼロになるリスクを取る必要はないですし、生活を守りながらスタートするのは現実的な選択です。

ただ、「副業だから」という意識は、気づかないうちにお客様に伝わります。

私たちは意識というエネルギーを常に放っていて、相手はそれを思った以上に正確にキャッチしています。

「この人、本気でやっているのかな?」というニュアンスは、言葉ではなく、対応の細部に滲み出るのです。

ペットシッターは「継続利用」が前提のビジネスだから

ペットシッターという仕事には、他のサービス業とは異なる特性があります。
飼い主さんは一度利用してよければ、よほどのことがない限り業者を変えません。

理由は二つ。
一つは、自宅の鍵を預けるという信頼関係があること。

もう一つは、ペットにとって「世話をする人が変わること」はストレスになると飼い主さんが感じているからです。

だからこそ、最初のうちから「肝心な時に頼れる人」として認識されることが、その後の長い関係を決めます。

副業感覚でいると、断りやすい・後回しにしやすい、という姿勢が出てしまいやすい。
それが積み重なると、信頼の芽は育ちません。

モチベーションは、じわじわと削られていく

アルバイトや別の仕事を掛け持ちしながら開業すると、体の疲労が溜まり、慌ただしい日常の中で開業した動機がだんだん薄れていきます。

「開業したい」という気持ちは、最初はエネルギーに満ちているものです。

でもそのエネルギーは、消耗の積み重ねによって静かに下がっていきます。
それが無意識の内に仕事の端々に出てしまう。

こうした状態を防ぐためにも、「自分はこの仕事で立つ」という本業マインドを最初から持っておくことが、現実的にも重要なのです。

「自分が利用者だったら?」─この問いが、仕事の軸になる

「私が利用する側だったら、この対応でいいか?」

この問いかけは、ペットシッターに限らず、あらゆる仕事の基準になります。

例えば連続3日間の依頼があったとします。「〇日と〇日は大丈夫ですが、△日は受けられません」と繰り返す業者を次も使いたいかどうか。

答えは明らかです。

副業かどうかは、お客様には全く関係のないことです。
あなたの都合とお客様の期待は別の話です。

本業マインドを持つということは、お客様のためというより、本当にやりたいことを実現すると決めた自分自身のためです。

形式より先に、意識を整えること。

それが開業初期の、一番大事な仕事かもしれません。


※この記事は2020年9月に公開し、2026年6月にリライトしました。

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ABOUT ME
西山 早苗
約12年間の会社員経験を経て、2003年に福岡市東区にてペットシッターMojo Mojoを開業。気づけば、地域で最も長く続くペットシッターの一つになりました。 23年間のシッター業務、保護活動、そしてトータル30匹を超える飼い猫たちとの日常を通して感じたこと——看取りや介護、動物たちの心身の健康、飼い主さんとの関わりで気づきを得ました。 長年の現場経験をベースに、時代の変化も取り入れながら、飼い主の皆さまのお役に立てるよう日々取り組んでいます。