ペットシッターに向ている人とはどういう人?
ペットシッターという職業の適正とは、動物が好き!というのは大前提ですが、いろんな性格の動物がいますので、まずは分け隔てなく接するということはいえるでしょう。
とはいえ、動物達の性格、気質を観察してそれに適したお世話をする必要はあります。ですが、これは人を相手にする仕事であっても同じことが言えます。どういうタイプで、どういう接し方をすればより良い結果が得られるのか?と考えるプロセスは同じです。
ペットシッターに求められる能力というのは、他の仕事でもほぼ同じことがいえるということでしょうね。では具体的にどういう能力が求められるかというと、大きく分けると次のようなことかなと思っています。
●現場力
現場力というと範囲が広すぎますね。具体的に挙げると「体力」「冷静さ」「判断力」「責任感」「注意力」「気配り」「観察力」「気力」「度胸」
ハハハ、結構ありますね。
体力は仕事をする上でのベースになりますので自身の健康管理に無頓着ではいけません。私はペットシッターになって以降、自分の健康に対する考え方を改めました。
代わりのいない仕事ですので、そうそう体調を崩していられません。会社員の頃と比べるとこの点の意識は大きく変わりました。お陰様でほぼほぼ17年間病気知らずです!意識は自分の健康状態を変えるというのは事実です。
気力は、真夏や真冬の厳しい天候の時や、ものすごく忙しくなった時、ヘビーな状況に陥った時に自分を鼓舞するために必要です。「大丈夫!私にはできる!やれる!」と真面目につぶやいて自分を励ますのです。(笑) 一日のシッティング件数が10件を超えてくると後半は気力がモノをいいます。
度胸もいります。長年この仕事をしていますと、予期せぬ出来事が起きます。相手は命ある動物ですので訪問したら昏睡状態だったり、低血糖でぐったりしていたり、とっさの判断を求められることもあります。他にもお世話をする動物がおっかなすぎて足がすくむこともあります。(これは猫ちゃんに多いです)
そんな時も仕事を投げ出すことはできないので、自分に出来うる最善の方法を短い時間で考え判断し、行動に移すことが求められます。待ったなしのこともありますので、自分の判断に責任をとるつもりで行動を決めます。一時的にテンパっても冷静さを心がけなければなりません。
●接客力
ペットシッターを選んで依頼を下さるのは当たり前ですが、犬や猫ではなく飼い主さんです。お世話の前には必ず事前打ち合わせがあります。直接お会いしてお話させて頂く場面もそうですが、メールや電話でのやり取りも含めて接客です。
あまりに稚拙な言葉遣いや、メールやレポートの文章が「こ、これはちょっと、、、。」と思われるようなものだと次に繋がりません。これは立場を変えれば想像できますよね?
お世話の時に書くレポートは自分の仕事を表現する貴重な場ですので、単調な報告にしてしまうのは勿体なさすぎると私は思っています。ここは同じペットシッターでも意見は分かれるかもしれません。
ただ、ここを大事だと思って仕事をしていると、同じ価値観を持っている方がお客様になります。これは自然なことです。エネルギーの周波数が同じだからでしょうね。(怪しいこと書いてますか?その内こういうことが一般的になる時代になると思っていますのであえてこう書きました)
レポートを工夫してユーモア等をまじえて書くとお客様はとても喜んでくださいます。自分の大事なペットをどんな風に見て、どんな風にお世話をしてくれているのだろうとお客様は気にされています。ここを察して、よーく動物達を観察して細やかに報告すると信頼にも繋がるのです。
接客力や表現力、この能力はどこで身に着けるかというと、開業前に勤めている職場です。独立開業をするに当たって、その前にどんな仕事をやっていてもすべてリンクし役に立つと私は考えています。アルバイトでもパートでもそれは関係ありません。
無駄なことなんて振り返ってみると何もなかった!とキレイごとではなく私はそう思うのです。
●事務処理力
ペットシッターの業務レベルであれば一般事務のスキルがあれば十分です。このご時世ですからパソコンは使えた方がいいでしょうね。使えない人っているのかな?(^-^; しばらく会社勤めから離れているので実情が分かりません。
あとは年に一度の確定申告。
これは私も開業当初は戸惑いました。何せ簿記の知識が皆無!!知識ゼロの状態で勘定科目ってナニ?振替伝票?なんじゃそりゃ?出金・入金伝票?複式簿記??ナニソレーーーー!の状態でしたからね。
ただこれもペットシッター業のみであれば、自力で何とかなります。勘定科目や伝票の切り方はGoogle先生が教えてくれますし、会計ソフトを買って入力すればソフトが立派な提出書類を作ってくれます。
確定申告も一度やってしまえば次の年は何とかなるでしょう。税理士さんに頼むまでのレベルでもありませんので、基本的には自分でやって覚えた方が良いと思いますが、数字関係まるでダメ!という人は有料で人に頼むというのもアリですね。苦手なことに時間を費やすのは人を消耗させますから。(^-^;
あとは顧客リストや売上管理表等も作成しておくと後々便利です。私はこれを作っているのですが、開業5年目辺りからおっそろしく多忙になってしまい、十分に活用できていません。コロナ禍の今、改めてどうにかせねばと思っているところです。
●営業力
営業力、開業前の私にとってここは超超超苦手とする分野でした。特に対面営業なんてできることならやりたくない!と思っていたほどです。
私が開業した18年前はまだ対面営業こそが営業の王道!という時代でしたので、すごく億劫だなーと思っていたのです。
そんな私がペットシッター業を軌道に乗せることができたのはホームページです。これなくしては今の私はなかったと思います。
とはいえ、販促物はそれなりに作りましたし、当時考え付く限りの営業活動もしました。パンフレットやポスティング用のチラシを作ったり、友人知人に開業の挨拶状も送ったりしました。
営業方法については、このテーマだけで一記事書けますので詳しくは機会を改めますが、営業が苦手だからといって躊躇う必要は全くありません!
開業当初も、そして今も、私に変わって営業活動をしてくれているのはホームページです。ここには思いのタケを注いでいます。ただホームページを作ればいいというわけではありません。ここでもお客様目線は考える必要があります。
デザインや構成、言葉の選択、できれば自分の言葉で書く方がいいでしょう。業者さんが作ったサイトは見ればすぐ分かります。気持ちが伝わってこないのです。
ともかく、この点についてはまたじっくり書きたいと思います。
ただ、ホームページがあればそれでOKというわけではありません。人となりも営業ツールとなりますので、その点は気を付けておく必要があります。言葉や行動の端々に無意識にキャラクターってにじみ出るものなのです。
●専門性とキャラクター
長いことペットシッターをしていて同業者の方々を見ていますと、だいたいシッター業をしてゆく過程でより興味のある分野に出会って、そちらの方向で専門性を深めていくというケースが多いようです。
例えば、犬の手作り食やアジリティ、しつけの分野や行動学、アニマルコミュニケーションや自然療法や保護活動などです。これは他店との差別化にもつながりますので深めていった方がいいでしょう。
私はというと、開業5年目以降、年間休暇が5日以下という幸か不幸か慌ただしすぎる日々になってしまったこともあり、ひたすらペットシッター業一本でやってきました。他のことに手を出す余裕がなかったのです。
今はコロナ禍で余裕ができたこともあり、興味のある分野の知識を深めようとあれこれやっていますが、ペットシッター業のみでやってきた分、良くも悪くもいろんな経験をさせて頂きましたので、かなーりタフ?に仕上がっています。(笑)
このタフさが私のキャラクターになっているのではないかと思います。(笑)とにかく、少々のことではメゲず、問題が起きてもどうやってクリアするか!というこを考えることに楽しみを見出してしまっているのです。もうなかなかの年齢なんですけどね。
そうです!私の根っこはいくつになっても体育会系です。(苦笑)
●まとめ
他にも必要なスキルや能力を上げればまだまだあると思いますが、私がいつも思うのは、ペットシッターだからといって特別なことを要求されるわけではなく、どの仕事でも求められる要素というのはある程度同じだということです。
自営業者となるわけですから総合力は一定レベル求めらるでしょう。
けれどもそれは日々の仕事を通して獲得していけば良いことですので、うまく軌道に乗せる、乗せられないの分かれ道を決めるのはスキルや能力ではなくて本人の意識次第といえるのでしょう。
一言でいえば、やる気と自分が取り組む仕事に対する関心があれば大概のことはできてしまうということですね。これは今も昔も変わっていません!