この記事は2020年に書いた「ペットの健康管理〜マインドマップで考察〜」を、今の視点で書き直したものです。

ペットが病気になると、まず頭に浮かぶのは「どう治すか」だと思います。

私もかつてはそうでした。でも30匹を超える猫たちを看取ってきた今、最初に立てる問いが変わりました。

「この子に、今、何ができるか」

治すことだけが正解ではない。
そう思うようになったのは、数えきれないほどの経験を積んだ結果です。

今回は、昨年17歳で旅立った愛猫のことを通して、私が病気と向き合うときの思考プロセスをお伝えします。

「おや?」から始まった

異変に気づいたのは2〜3年前のことです。
滅多にお腹を壊さないその子の便が、軟便から下痢便になりました。数日続いたので、頭の中でいくつかの可能性を巡らせました。

食べたもの?ストレス?
それとも——甲状腺?

高齢猫に多い甲状腺機能亢進症は、消化器症状を伴うことがあります。
その知識と、長年の観察から来る直感が重なって、血液検査に行きました。
結果はやはり甲状腺機能亢進症で、数値はかなり高い状態でした。

【身体・健康】治療の選択肢を並べる

甲状腺機能亢進症の治療には大きく二つの選択肢があります。
投薬治療と、ヨウ素制限療法食です。

療法食は「それだけしか食べさせてはいけない」という条件があります。
私は迷わず投薬を選びました。

好きなものを食べる楽しみを奪いたくなかったからです。

これは単なる甘やかしではありません。
私が長年の経験からたどり着いた一つの軸
——完全に病気を治すことより、日々の楽しみを残すこと——に基づいた判断です。

【環境・関係性】その子らしさを尊重する

その子は家の中の一匹オオカミでした。
他の猫とはあまり馴染まず、私との接点だけを好む、独立心の強い子でした。

うちの最高齢でもあったので、その性格を尊重して、基本は自由にさせていました。

制限を設けないことが、その子への配慮でした。

【メンタルの健全性】楽しみを守るという選択

投薬はピルクラッシャーで薬を潰してフードに混ぜる方法で続けました。
その子は薬をすぐ嗅ぎ分けて拒否するタイプだったので、毎日少しずつ工夫しながら。

しばらくはそれで元気でいてくれました。

【自然療法・サプリ】試みと、撤退の判断

西洋医学の治療と並行して、自然なアプローチも探しました。

ただ甲状腺機能亢進症は、猫が好む魚介類にヨウ素が多く含まれているため、食餌でのアプローチが難しい病気です。その子は魚が大好きでした。

レモンバームが甲状腺に良いという情報を見つけて、サプリを取り寄せたり、自家栽培して乾燥させてフードに混ぜたりと試みました。

しかし、その子はすぐに嗅ぎ分けて拒否。撤退しました。

やれることをやって、ダメなら次へ。それだけのことです。

【エネルギーを読む】ダウジングで確認したこと

1年以上の投薬を続けたある時期から、薬を混ぜたフードを食べなくなっていきました。
薬が嫌なのかと思い投薬を休んでも、食欲が戻らないことが増えていきました。

このとき私が使ったのがダウジングによる確認です。

なんとなく身体が薬をうまく処理できなくなってきているのでは?、という感覚がありました。

ダウジングで確認すると、肝臓がかなり弱っているという結果が出ました。
私の感覚とダウジングの結果が一致していました。

これはあくまでも私個人のツールです。
ただ、この一致が「そろそろ潮時かもしれない」という判断の後押しになったのは確かです。

すべてから解放する、という選択

その後、その子は自ら食べることをやめました。
猫には、自分で逝くと決めたら飲まず食わずを貫く子がいます。

その子もそうでした。

私はその意思を尊重しました。
飲まず食わずの一週間余りを見届けて、お別れをしました。
間もなく17歳になろうかという年齢でした。

やれることをすべてやった、という感覚はあります。

それでも何かしら後悔や心残りは残ります。
看取りを重ねても、これは漏れなくついてきます。

その後悔を、シッターの現場や次の子たちへのケアに活かすこと
——それが亡くなった子への感謝と追悼の表現だと、今は思っています。

最後に

この記事で伝えたかったのは、治療法の正解ではありません。

病気になったとき、身体の状態だけでなく、その子の性格、環境、飼い主との関係、日々の楽しみ、そして目に見えない感覚——そういったものを全部ひっくるめて考えることが、私のアプローチです。

「健康・身体」、「メンタルの健全性」、「環境」、「飼い主との関係性」
そして「エネルギーバランス」

5つの視点を持つと、選択肢が増えます。
そして選択肢が増えると、後悔が減ります。

あなたの目の前の子に、今できることは何でしょうか。

ABOUT ME
西山 早苗
約12年間の会社員経験を経て、2003年に福岡市東区にてペットシッターMojo Mojoを開業。気づけば、地域で最も長く続くペットシッターの一つになりました。 23年間のシッター業務、保護活動、そしてトータル30匹を超える飼い猫たちとの日常を通して感じたこと——看取りや介護、動物たちの心身の健康、飼い主さんとの関わりで気づきを得ました。 長年の現場経験をベースに、時代の変化も取り入れながら、飼い主の皆さまのお役に立てるよう日々取り組んでいます。