台風10号が去っていきました。
今回は前もってかなり危険だと告知されていたので、いつになく福岡の街も備えを万全にしてコトを迎えたせいか私の住む福岡市では大きな被害はなかったようです。
ペットシッターの仕事、実は天候に大きく左右されます。
それは暑さや寒さをはじめとして、今回のような台風、そして九州は雪に弱いといわれているのですが大雪が降った時などもそうです。もちろん地震も含まれます。
ペットシッターは命ある動物達を相手にする仕事です。
ですから余程のことがない限り、荒天のせいでお世話に行かないという選択肢はありません。
「今日はバケツをひっくり返したような大雨なのでお世話には行けません!」
などということは基本的にはあり得ないということです。少なくとも私はそのスタンスでこれまで仕事をしてきました。
こう書くと誤解する方もいるかもしれないのですが、これは何も命をはって危険を冒して現場へ行くべきだ!と言っているのではありません。
命なんか張ってしまったらそれは美談ではなくお客様に大変なご迷惑をかけてしまいます。自分がとる行動の先の先の影響もちゃんと考えた上で冷静に判断することが大切だということです。
では、具体的にどういったことをやっているかというと、今回の台風を例に挙げると、まず台風が発生したという情報をキャッチしたらマメに進路や勢力をチェックします。
そして影響を受けそうな期間にお留守にされるお客様がいるかどうかを確認。
万が一、台風の上陸時とお客様のご不在期間や、ご帰宅予定が重なってしまう場合は、まずお留守番をする動物達の留守番環境の安全をチェックします。
マンションの場合はベランダに危険はないか、戸建ての場合は家の周りを全て確認して対策します。(これ結構大変です)
次に、動物達の食事の工夫をします。
次回のお世話の訪問に天候の影響を受けそうな場合は、余分にフードやお水を用意するなどします。(こういう時、自動給餌機があると便利ですね)
暑さ寒さの対策も考慮する必要があります。
寒さに関しては服を着せたり、カイロを用意したり、毛布などに潜り込めばなんとか凌げますが、真夏の場合は停電するとかなりマズイことになりますので、台風が去ったと同時に現場に向かった方がいいでしょう。
ですから停電情報にもアンテナを張っておく必要があります。台風の場合は吹き返しもありますので、状況の見極めは大事です。
これ以外にも気を巡らせて、余力があるようならお客様ご自身のこともケアできるとベストでしょう。
例えば、ご旅行やご出張先から帰ってこられる場合、事前に連絡を取り合ってお風呂に水を張っておいたり、飲み水を確保しておいたり等です。
これは仕事の範囲外ですが、日頃お世話になっているお客様のことを思い行動に移すことは心情的にやってあげたいなと私は思っています。
お客様が困ると直接、間接的にペット達も影響を被ることがあるからです。
私はこれまで台風は数えきれないほど、大雪も数回、そしてシッターを始めて間もない頃に福岡西方沖地震も体験したことがあります。
福岡は雪が降ることがあっても道路が凍結するということは稀なのですが、それでもたまに大雪で街が大混乱になることがあります。スタッドレスタイヤを買うほど雪が降らないので私はタイヤチェーンを車に乗せているのですが、突然降り出した大雪の中、雪まみれになりながらチェーンを付けたことがあります。
この時は天候の読みが甘かったのでした。( ;∀;) シッターは力も必要なのです!チェーン装着は慣れていない上に、手はかじかんで泣きそうでした。
福岡西方沖地震の時は予約が7件あり、正直戸惑いました。
この時はすぐにどう動くべきか判断できなかったので、一度冷静になるために気持ちを落ち着けて、お客様には申し訳ないと思ったのですが、まず自宅にいる飼い猫達の状況を見に帰りました。
これをやらないことには飼い猫達のことが気になり過ぎて仕事に集中できずミスをしてしまうかもしてないと思ったためです。
家に帰ると家の中は物が散乱してグチャグチャになっていて、猫達も怯えてあちこちに隠れてましたが、幸い皆無事でした。
無事を確認できたのでフードと水を確保して、余震で高いところから物が落ちてこないように簡易的な対処をして、また現場に走りました。30分も家にいなかったと思います。
お客様のお宅ではペット達の無事の確認と安全確保のため、それぞれのお宅にあるものを使って余震対策をし、それができたところで地震に怯える子達の気持ちのケアをしたのでした。
あるお宅では猫ちゃんが怯え切っていたので1日2回のご依頼のところ、お客様の了解を頂いて3回訪問したお宅もありました。
台風や大雪はペット達は家の中でお留守番しているのであまり大きな影響は受けないのですが、地震は家が揺れるので、怖がる子は怖がります。
飼い主さんもいないので余計に怯えてしまうんですね。こういう時のケアの方法も身に着けておく必要があるのかもしれませんね。
天候不良や自然災害のせいで、本来の業務に含まれないことまでやるかどうかは個々の判断です。ですから、必ずしもやらなければならないということはありません。
私は状況によっては仕事を脇に置いて動くことがあり、それはやりたいのでやっているということです。
ですが、何でもかんでもやって良いということではありません。
このことについてはこれまで失敗も経験していますので、それはまたいずれ書くことにしますね。
線引きってなかなか難しいのです。(^-^;