ペットシッターの現場を勝手に分析(全4/5回)-開業からのの20年を振り返ってー


ここまで、ペットシッターという仕事を
・構造
・判断
・知識
という視点から書いてきました。
最後に、この仕事を20年続けて見えてきたものを、少し振り返ってみたいと思います。
20年前に想像していたこと
この仕事を始めた頃、今とはまったく違うイメージを持っていました。
動物が好きで、
役に立てて、
感謝される仕事。
もちろんそれは間違っていません。
でも、それだけではありませんでした。
続けるほどに、仕事の輪郭は少しずつ変わっていきました。
見える仕事から見えない仕事へ
最初は「作業」が仕事でした。
給餌、掃除、報告。
できることを増やし、失敗しないようにする。
でも続けていくうちに、仕事の中心が変わっていきました。
作業よりも、判断。
判断よりも、観察。
観察よりも、関係性。
気づけば、目に見えない部分の方が仕事の大部分を占めるようになっていました。
正解がなくなる
続けるほど、「これが正解」と言えることが減っていきました。
状況は毎回違い、
動物も、環境も、飼い主さんも違う。
同じ日は一日もありません。
だからこそ、毎回その場で考え、選び続ける仕事になりました。
続けるということ
20年という時間は、特別な何かがあったから続いたわけではありません。
ただ、目の前の一件一件を積み重ねてきただけです。
うまくいった日もあれば、うまくいかなかった日もありました。
迷った判断も、自信を持てなかった日もあります。
それでも次の訪問が来て、また考えて、また決める。
その繰り返しでした。
この仕事の静かな重さ
この仕事は派手ではありません。
大きく評価されることも多くありません。
何も起きない日が続くことが、最も良い結果です。
だからこそ、外からは見えにくい仕事です。
でも現場では、確かに積み重なっていきます。
小さな判断。
小さな観察
小さな積み重ね。
それでも続いていく理由
なぜ続けてきたのか。
これ!というはっきりした答えはありません。
葛藤、焦燥感、虚脱感、高揚感、充実感、
さまざまな思いや感情が通り過ぎて行ったのは事実です。
動物と向き合い、
飼い主さんと向き合い、
自分の判断と向き合う。
その繰り返しの中で、少しずつこの仕事の形が見えてきました。
これからこの仕事をする人へ
これから始める人
続けている人
迷っている人
この仕事に、分かりやすい正解はありません。
迷うことも、悩むことも、きっと何度もあります。
でもそれは、この仕事が多層だからです。
難しいからではなく、軽い仕事ではないからです。
最後に
ここまで書いてきたことは、特別なノウハウではありません。
20年現場に立ち続けて、あとから言葉になったことばかりです。
もしこのシリーズが、どこかの誰かの気持ちを少し軽くできたなら、
それはとても嬉しいことではあります。

